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チベット大蔵経について

 東京大学附属図書館所蔵のチベット語大蔵経・ナルタン版・テンギュルは、日本のチベット学の始祖ともいうべき河口慧海がチベットから請来し、 本学に寄贈されたものである。
 チベット語大蔵経はカンギュル(bKa' 'gyur「仏説の翻訳」)とテンギュル(bsTan 'gyur「論書の翻訳」)の二部から成る。 後半部のテンギュルは、数量的にいえば、チベット語大蔵経全体の3分の2余りを占め、その中には中観、唯識、阿毘達磨、因明(論理学)等の純然たる論書の他に、 諸種の経典(密教タントラを含む)・律典に対する注釈、讃頌、本生話・仏伝、書簡、声明(言語・文法・文学)、医方明(医学・薬学)、工巧明(技芸・占術・暦)、 雑、目録等の翻訳文献が収められている。その大部分はサンスクリットからの翻訳であるが、一部、漢訳からの重訳文献や、チベット人自身の著作も含まれる。


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